“下取り額”が上がり続ける訳
リスク管理サービスベンダーAssurantは、スマートフォンをはじめとするモバイル端末の下取り・買い替えに関する動向を四半期ごとに調査している。2023年8月に同社が発表した2023年第2四半期(4月~6月)の調査結果によると、スマートフォンの下取り価格が上昇するなど中古市場が変化しつつある。中古スマートフォンに注目が集まるのはなぜなのか。
レポートによると、スマートフォン下取り時の平均使用年数は増加傾向にある。2023年第2四半期の平均使用年数は3.56年と前四半期比で約6%増となった。機種別に見ると、Appleのスマートフォン「iPhone」の平均使用年数は前四半期比で約4%増の3.55年、GoogleのモバイルOS「Android」搭載スマートフォンの平均使用年数は前四半期比で約10%増の3.58年だった。
厳しい経済状況の影響で、新品スマートフォンの出荷台数と中古スマートフォンの在庫数は共に減少傾向にある。「消費者は新品を購入する代わりに、より手頃な価格で購入でき、地球環境への負荷を軽減できる中古スマートフォンの購入に関心を持つようになっている」。こう指摘するのは、Assurantでグローバルコネクテッドリビング部門のプレジデントとエグゼクティブバイスプレジデントを兼任するビジュ・ナイル氏だ。
ナイル氏によると、中古スマートフォンの需要が高まるにつれ、通信事業者や小売業者、ケーブルテレビ事業者、OEM(他社ブランド製品の製造)事業者などが中古スマートフォンの在庫を確保しようとし、その動きが下取り価格の上昇を招いている。中古スマートフォンの下取り価格は、5四半期連続で上昇しているという。スマートフォンを販売する事業者が収益を拡大したり、顧客との関係を強化したりする手段としても、下取りと買い替えの重要性は高まると同氏は指摘する。
中古スマホの「買い替え上位」と「高額下取り」は“あの端末”中古スマートフォン市場が“活況”の現実【前編】
中古スマートフォンの下取り価格は上昇を続け、活況を呈している。下取り上位の機種については、ある顕著な傾向が見られた。注目すべき中古スマートフォン市場の状況とは。
リスク管理サービスベンダーAssurantは、スマートフォンをはじめとするモバイル端末の下取り・買い替えに関する動向を四半期ごとに調査している。2023年8月、同社は2023年第2四半期(4月~6月)の調査結果を発表した。下取りに出される傾向のあるスマートフォンの機種や、下取り価格の変化などが分かった。
買い替えランキング上位、高額下取りのスマホはこれだ
2023年第2四半期に下取り件数が多かった上位5機種はいずれもApple製品で、「iPhone 11」「iPhone 12」「iPhone XR」「iPhone 12 Pro Max」「iPhone 11 Pro Max」だった。これらの端末のうち「5G」(第5世代移動通信システム)が使える機種は34%を占め、前四半期の29%から増加した。
Samsung Electronicsのスマートフォンに関しては、「Galaxy S21」が「Galaxy S9」を抜き、同社製品の中で最も下取りに出される機種となった。
2023年第2四半期におけるスマートフォンの平均下取り価格は135ドルで、前四半期の126ドルからはわずかな上昇にとどまった。背景には、5Gの普及に合わせて2022年にスマートフォンの買い替えが進んだ影響があるという。
iPhoneの平均下取り価格は過去最高の215ドルになった。iPhoneの平均下取り価格は2023年第1四半期に、2021年第3四半期以来初めての200ドル超えとなっている。Appleのスマートウォッチ「Apple Watch Ultra」の平均下取り価格は208ドルだった。
オンライン取引による中古スマートフォンの下取りは総額の16%を占め、2022年第2四半期比で15%増となった。下取りとアップグレード(買い替え)プログラムによって、米国の消費者には総額約8億7200万ドルが還元された。これは前期の約8億6500万ドルと同水準だった。
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