« 2022年6月 | トップページ | 2022年9月 »

2022年7月

2022.07.22

iPhone、値上げでますます高根の花に 中古市場に余波

毎日に溶け込む、音。 GLIDiC SOUND AIR(グライディック サウンドエアー) TW-5100 ブラック ワイヤレスイヤホン Tile機能搭載 通常販売価格 (税込) 9,790 円

 

 

スマホを出さずにラクラク通話!Bluetooth接続で通話を自動録音 スマホ通話レコーダー StickPhone 8G 録音機 価格情報 通常販売価格 (税込) 15,400 円

 

 

コンセントが3口と4口のUSB付きハイブリッドマルチ電源タップ CIO 電源タップ usb付き usb スマホ USB4ポート ACプラグ3口 ホワイト CIO-KJ-C03 4.33 (12件の商品レビュー) 投稿する 項目別評価 耐久性 壊れやすい 普通 壊れにくい ユーザーのレビューを見る 価格情報 通常販売価格 (税込) 2,508 円


「この2週間で中古iPhoneに関する問い合わせが2倍以上になりました。以前から人気だった『iPhoneSE(第2世代)』は、ますます品薄になっています。バッテリーが良好で目立った傷などがなければこれまで2万円台で手に入る価格でしたが、7月以降は3万円を超えています」。こう話すのは、東京・池袋にある家電量販店の中古スマホ売り場の担当者だ。

 理由ははっきりしている。米アップルが7月1日からスマートフォン「iPhone」を含む製品について、日本で一斉に値上げしたからだ。今回の価格改定で、最新機種のiPhone13(128GB)の価格は税込みでは9万8800円から11万7800円と2万円近い値上がりで、率にして19%アップとなる。廉価版の機種、iPhoneSE(第3世代、64GB)の価格も5万7800円から6万2800円と5000円上昇、8%の値上げだ。アップルは値上げの理由を明らかにしていないが、今年3月以降米国の利上げを受けて日米金利差は拡大し、円安が急速に進んでいる。ドル建てで見た際の収益低下を回避するために、価格調整を実施したもようだ。

 値上げで割高感を持った消費者が中古市場に流れることで、中古スマホ市場の需給にも影響が出ている。iPhoneSEの品薄のみならず、そもそも中古品がまだあまり出回っていない新型機種の買い取り価格がここにきて大きく上昇している。インターネットでスマホ買い取りサイト「みんなのすまほ買取」を運営するニューズドテック(東京・千代田)によれば、2月初旬から7月初旬までの半年間で、iPhone13(256GB)、iPhone12(256GB)、iPhone11(256GB)の買い取り価格(Aランク)は、それぞれ15.4%、8.5%、7.8%増えた。

 調査会社のMMD研究所(東京・港)が2022年4月に実施した調査によると、中古スマホの所有率は11.6%と20年の約2倍となった。21年に利用する通信会社を限定した販売方法の廃止が中古品の流通増を促している側面はあるものの、やはり一番の要因は「スマホの高額化」だろう。

 10年前の12年9月に発売されたiPhone5の価格は税抜きで6万1680円からだった。最新機種の価格の約半分であることからも、iPhoneの価格は年々高くなっているのが分かる。だが、各国のiPhone価格に目を転じてみると、日本の販売価格は依然として割安だ。

価格改定後もドイツや中国より安い

 下図は、最新機種であるiPhone13、iPhone13 Pro Max、およびiPhoneSE(第3世代)の各国における販売価格を7月19日の為替レートでドル換算したものだ。日本に関しては、7月に実施した値上げ前後の販売価格、両方を表示している。



税金などを考慮せず各国のアップル直販サイトの表示価格を比較。1ドル=139円、1ドル=1ユーロ、1ドル=6.7人民元で計算。
税金などを考慮せず各国のアップル直販サイトの表示価格を比較。1ドル=139円、1ドル=1ユーロ、1ドル=6.7人民元で計算。

 7月の価格改定前、日本のiPhone価格をドル換算すると、米国を下回る水準だった。価格改定後はようやく米国を上回るようになるも、日本の場合、アップル直販サイトに表示されている販売価格は10%の消費税込みの価格だ。米国価格は税抜きで、これに各州が定める小売売上税などの税金が上乗せされる。

 米国での税金を勘案すると価格差は縮まるが、7月の値上げで日米の価格差が完全に解消されたとはいいがたい。一方、ドイツや中国と比較すると、円安効果で価格改定後も日本のiPhone価格は割安だ。長らく所得水準が上昇していない日本人にとっては「高根の花」になりつつあるiPhoneだが、米国以外の外国人にとっては「お買い得」なのである。

 同様の傾向は、調査会社、MM総研が実施した調査からも明らかだ。同社は値上げ前の6月、34の国・地域を対象に、アップルの直販サイトで販売されているiPhone13などの価格を調べた。それによると、6月1日の為替レートで換算した場合、調査対象としたモデルのいずれにおいても日本が最も安かったという。例えば日本では6月時点で9万8800円で売られていたiPhone13(128GB)は、日本以外の平均価格は12万6433円だった。

 前出の家電量販店の担当者は「外国人観光客の入国制限が緩和されたせいか、6月中旬に入り新品、中古を問わずiPhoneを購入する外国人が増え始めている。中には転売目的なのか、複数台購入する人もいる」と話す。

 アップルもこうした転売対策に乗り出したもようだ。アップルストアは、外国人旅行者などの非居住者向けに実施していた消費税免税対応を6月21日で終了した。だが、こうした措置を取ったとしても、日本のiPhoneは安い。

 日本のスマホシェアの半分近くを占めるだけに「iPhoneが日本でさらなる値上げに動くとそもそも高すぎて売れなくなるのでは」(家電量販店関係者)と、一段の値上げに懐疑的な声は根強い。海外と比べれば割安だが、グローバルで見ればまだ値上げの余地は大きいともいえる。円安は、日本のiPhoneユーザーに思わぬ試練を強いている。

| | コメント (0)

« 2022年6月 | トップページ | 2022年9月 »