iPhoneに「ウイルスが検出された」とアップルの警告が……信じていい?
iPhoneやAndroidスマートフォンでネットを見ていたある日。流行の服の名称や、テレビ番組のタイトルや、何でもないキーワードで検索をし、いくつかのページをたどっていたら、突然、こんな画面が出てきたとする。あなたはどうするだろうか。
通知元の名前は「Apple Security」。(左)「マルウエアが検出されました」という通知(右)「iPhoneでウイルスが検出されました。ハッカーがカレンダーを乗っ取り、バッテリーに感染し、写真を盗もうとしました」 Photo by Satoshi Yamato" />
通知元の名前は「Apple Security」。(左)「マルウエアが検出されました」という通知、(右)「iPhoneでウイルスが検出されました。ハッカーがカレンダーを乗っ取り、バッテリーに感染し、写真を盗もうとしました」 Photo by Satoshi Yamato
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「フェイクウイルスサイト」に出合ったらどうしたらいい?
フェイクウイルスサイトは、このようにもっともらしい偽の表示をして、ユーザーの不安をあおる、偽の警告サイトである。フェイクウイルスサイトに出合った場合、具体的にはどうすればいいのだろうか?
もしこうした画面が表示されたら、そのページを閉じてしまえば、被害が及ぶことはまずない。単に脅しが表示されているだけなので、無視して、ブラウザの表示を閉じる。これで全て終わりだ。
筆者の見たところでは、標的としてはiPhone向けが最も数も種類も多いようだ。iPhone向けの場合、
・お使いのiPhoneが○個のウイルスにより深刻なダメージを受けています。
・iPhoneのSIMカードが破損し、連絡先、写真、データ、アプリケーションなどがダメージを受けます。
・今すぐウイルスを除去しないと、iPhoneが深刻なダメージを受ける原因になります。
・直ちに解決しない場合、ウイルスにより携帯電話はクラッシュし、SIMカードは破損し、全ての連絡先が削除されます。
・必ず対策を行って下さい! パスワードが危険です。
・ハッカーに追跡されています!
というようなメッセージが表示される。
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フェイクウイルスサイトは、なぜこんなことをするのか
フェイクウイルスサイトは、何が狙いでこのようなことをするのだろうか?
昔は単なるイタズラもあったが、現代では、多くの場合が金目当てだ。だまされた人に、価格の高い(場合によっては効果もない)アプリを売りつけるケースが多い。
たとえば、先ほどの例でiPhone向けに「Apple Security」をかたっていたサイトの場合。画面に表示された指示に従って「推奨されるAdBlocker(編注:広告をブロックするアプリ)とウイルス対策ツールをインストール」するよう、「ウイルスを削除」ボタンを押すとどうなるか?
このサイトの場合は、AppStore(アップルの公式アプリストア)に誘導され、「VPN App MasterProxy by VeePN」というアプリのインストール画面に進んだ。
このアプリは、名前の上ではVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)、つまり、特定の経路上で通信を行うので、他の利用者などにのぞき見・データ改ざんなどがされなくなる、というソフトウエアだ。本当に「のぞき・改ざん」ができない通信を行えるのかという機能面も疑問だし、さらに問題なのは、その料金だ。
このアプリの場合「3日間のフリートライアルの後、1週間(9.90ドル)、1年(69.90ドル)、および5年(99.90ドル)」のいずれかで課金されるとしている。つまり指示を信じて、言われるままにアプリをインストールしてしまうと、4日後から毎年8000円近くが徴収されてしまうことになるわけだ。
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フェイクウイルスサイトは、不思議と「あなたの欲望を、本来の対価を払わずに満たせるよ」という誘い文句の次にやってくることが多い。非常識なくらいの“おトク”や“アングラ”情報には、“だまし”もセットで付いてくる。近寄らないのが一番だが、もし「やられた!」と思ったら、まずは落ち着いて表示された文章をよく読んでみてほしい。
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